センター長からのご挨拶



放射線治療の新時代/加速器ベースBNCT 難治性がんへの挑戦

髙井良尋南東北BNCT研究センター長
 BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)はがん細胞一個一個を破壊することが可能で、がん細胞選択的治療とも呼ぶべき、従来の放射線治療とは全く異なる機序を利用した画期的な新時代の放射線治療です。
 BNCTは従来、原子炉より得られる中性子を用いて行われていた日本が主導してきた治療法です。
 原子炉は病院に設置することはできませんので、現在まで臨床医療として確立した治療法にはなっておりませんでした。

 最近、京都大学原子炉実験所でBNCT用の加速器(サイクロトロン)が開発され、臨床研究が始められておりましたが、南東北グループでも、南東北BNCT研究センターを建設し、同様の加速器を病院併設としては世界で初めて導入しました。
 手術や従来の放射線治療では治療の難しい進行がんや再発がん、浸潤性の強いがんなど、難治性がんに有効であることが期待されています。
 当BNCT研究センターでは2016年1月には、再発悪性脳腫瘍に対する臨床治験を開始し、7月より、再発頭頸部がんや進行頭頸部がんに対する治験を開始しました。

 世界初の病院併設加速器ベースBNCTは、臨床医療として確立した治療法となり、がん治療に画期的な変革をもたらすものと考えられます。
 この治療法が、難治性がんに苦しんでおられる多くの患者様やご家族の皆様にとって大きな福音となるよう願いながら、今後、臨床研究を進めて参ります。
 何卒、皆様のご理解とご指導ご鞭撻の程お願い申し上げます。

 
一般財団法人脳神経疾患研究所 附属 南東北BNCT研究センター センター長 髙井 良尋