理事長からのご挨拶



BNCTの臨床応用へ向けて

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 がんは日本人の死亡原因の第1位です。
 毎年およそ70万人ががんに罹り、半分の方ががんで亡くなります。高齢化する社会のなかで、がん医療はさらに重要性を増している状況です。

 南東北グループでは、グループ創設以来、最先端の医療機器や技術の導入と知識の習得に努め、日本人の三大死亡原因とされる、がん、脳卒中、心臓病に対する高度先進医療の提供に力を尽くしてきました。

 特にがんについては、早期発見とともに早期治療へ向けて積極的な取り組みを続け、陽子線治療を民間医療施設として日本で初めて導入するなど、がん治療の新しい時代を切り拓いてきました。

 しかし、いまだに難治性のがんに苦しむ皆様がおられるのも事実です。私たちはこうしたがんに対する有効な治療法として、これまでの放射線治療とはまったく次元の違う新たな治療法、BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)の導入を決意しました。

 BNCTとは、ホウ素薬剤を取り込んだがん細胞を選択的に破壊し、正常細胞への影響を少なく抑えながら、がん細胞を殺滅することができるまったく新たな治療法です。この治療法を病院に導入するのは、世界で初めてとなります。

 現在は、設置された機器の調整や試験運転の段階にありますが、今後は安全性などの確認や、医療機器として厚生労働省の認可を得るためのいわゆる〝治験〟を行い、その上でBNCT治療施設として本格的な臨床への応用を目指しているところです。

 南東北グループでは、BNCTや陽子線治療とともに、サイバーナイフ、ガンマナイフ、IMRT、化学療法、血管内治療、外科、ロボット手術など、がん医療における総合的な力を高めてきました。私たちが取り組む最先端治療が、がんで悩み苦しむ多くの患者様の希望となれば幸いです。

 「すべては患者様のために」の理念のもと、南東北グループは、地域の人々を支え、命を守る医療、急性期の医療とともに、世界でも有数のがん治療拠点として、これからも高度先進医療の充実、最良の医療サービスの充実に努めてまいります。
 皆様のご支援、御鞭撻のほど、心よりお願い申し上げます。

 
一般財団法人脳神経疾患研究所 附属 南東北BNCT研究センター 理事長 渡邉 一夫